こんにちは、神谷です。

1月も終盤ですが、今年最初のブログということで、
本年もよろしくお願いいたします!

この冬は暖冬だと気を緩めていたところに、10年に一度と言われる寒波到来。
寒さが一段と身に染みますね。
体調管理にも気を付けたいところです。

さて、昨日の重野さんのブログに「10年目…」とありましたが、
私も入社して10年になります。
(私は中途入社ですが、重野さん・さやかさんと同期です!)

これまで、ナビの開発から、個人情報のこと、人材紹介、営業管理システム などなど、
本当にいろんな業務に携わってきたのですが・・・

恥ずかしながら、自分がどんな仕事をしているのか、
未だに人にうまく説明できない自分がいます。
業務内容を一つ一つ述べてみても断片的な感じがしますし、
自分の言葉で伝えられていないなあ~と、もどかしさを感じることもしはしばです。

そんな中、年末年始のお休み中に読んだ小説がとても心に響いたので、
ちょっとご紹介したいと思います。

東野圭吾『マスカレード・ホテル』(集英社文庫)

160126

人気作品のようなので、読んだことのある方も多いかもしれません。
シティホテルを舞台に、若手刑事がホテルマンに扮して事件解決に挑む…
というミステリー小説です。
ストーリー展開もなかなか面白くて引き込まれるものでしたが、
詳しい内容についてはここでは触れないでおきます。

それよりも私がここで取り上げたいのは、主人公であるフロントクラークの女性のこと。
彼女のホテルマンという仕事に対するプロ意識と、徹底したホスピタリティ精神が見事に描かれていて、
それがとても印象的でした。

ホテルマンとしての彼女の信念は、
『ホテルにおいてはお客様がルールブックであり、ホテルマンはそのルールに従わなければならない』
というもの。

「お客様が全員好き勝手なことを言い出したら、収拾がつかないじゃないか」
小説の中でこんな問いを受けた彼女は、こう答えます。
『それを何とかするのが私たちの仕事です。すべてのお客様が上品で理性的で辛抱強いとしたら、ホテルマンほど楽な仕事はありません』

自分の仕事をこんな風に言い切れるところがすごいです!!

そしてこの言葉通り、宿泊客の理不尽で我がままな要求にも、
彼女は真摯に向き合い応えようとします。
そこでの判断力や機転の利かせ方がまた絶妙で・・・
終始、感心しきりでした。

とはいえ、全て小説の世界の話。
いくらでも美化できるじゃないか、そんな声もあるかもしれません。

ですが、自分の信念から決してぶれることのない姿勢には素直に引きつけられましたし、
プロ意識ってこういうことだな、と強く感じさせられました。

そして読み終えた後、改めて心に残ったのが、
「お客様の我がままをなんとかするのが私たちの仕事」という一言。
ホテルマンという仕事の意義や誇り、喜び、行動指針・・・
こうしたことが、この言葉に凝縮されていたように思います。

こんな文脈で自分の仕事を定義できたとしたら、
冒頭で述べたようなもどかしさは、解消されるのかもしれません。
10年目。そろそろ「○○が私の仕事です!」と、自分の納得できる言葉で表現できるようにならなければ!
と思うところです。
なかなか難しいですが・・・

何気なく手に取った本でしたが、思いがけず深く考えさせられた一冊となりました。