────現在の食品スーパー業界の動向はいかがなものですか?
業界の調子はいいと思いますよ。特に愛知県は景気が良いので、他県に基盤を置いているスーパーまで愛知県に進出してきています。お客様の取り合いになっている状態ですね。
────生き残りをかけた競争が激しそうですね。
ある方のセミナーで今、お客様の立場は「神様」というより「殿様」で、非常にシビアになっているということを聞きました。半分そのように思います。その店が気にいらなければ二度とその店には来てくれません。お客様個人個人の求めるものも違いますから、大多数の要望を大切にしながら少数意見にも対応していかなければいけないと思います。単に価格だけでは勝負できない時代に入ってきていると考えています。
────そうすると、産直ものやブランド野菜など、品揃えで差をつけることになりますか?
郊外型の大型スーパーなどでは産直や無農薬野菜、プライベートブランドに力を入れているところもありますね。ただアオキスーパーの場合は地域密着型中規模店舗を展開していますので、そのお客様の求められるのは安くて良質なナショナルブランドだと思います。毎日の食材を買いに来られるお客様のために質を落とさず、安くておいしいものを取り揃えています。各店舗ごとで地域に合わせた商品選びをしているため、あえて小回りの効く中型店での展開にこだわり、全店確一的なマニュアルは設けていません。時代とは逆行しているかもしれませんが、これがいい方向に向いているので、今後も日々の情勢を見ながら流されずに店づくりをしていこうと考えています。
────なるほど、「変えない」というのもひとつの戦略なのですね。
とはいえ、買い回りをしやすいように通路を開けたり、陳列方法を変えたりという工夫は重ねてきましたよ。それから全体的な雰囲気づくりでは、マイクを使って活気を生み出したりレジだけでなく店内のすべてのスタッフが接客に気を遣うようになったり。そういった部分では随分変わりました。お客様に合わせて少しずつ変えていくというのが、急激な大きい変化より大事だと思いますね。
|