────食品業界の動向について教えていただけますか?
好景気が続いていますが、食品業界全体としては、個人消費の回復や高まりを実感出来ない状態が続いています。しかし一方で消費者の味へのこだわり・本物志向・健康志向は深まる一方。さらに、安全・安心も求められています。それらを踏まえたうえでの「商品」がメーカーにとっては最重要となっていますね。
────業界を取りまく環境についてはいかがでしょう。
コンビニエンスストアが急速に普及したことにより、幅広い層の消費者の嗜好を考えた商品開発が必要になりました。しかも店頭に並ぶ商品のサイクルが早く、新たな定番商品、ロングセラー商品は生まれにくいと言われています。そのような時代ではありますが、つねに先駆的な商品を世の中に送り出してきた当社では、市場トレンドを的確に捉えながら、お客様の視点に立った商品を開発し続けています。
────今後この業界で生き残るには、何が必要であると思われますか?
今後、日本の人口がどんどん減っていくという将来を見越した展開が必要になってくると思いますね。例えばグローバルな展開や増えていく高齢者の方に向けた商品の強化など。
井村屋もすでに中国において業務用調味料の製造は行っていましたが、新たに和菓子の製造販売を手掛ける会社を設立し、まずは、カステラの販売事業からスタートさせました。また、国内でもゆであずきなどに代表される当社の強みである“和”のイメージを活かした商品に力を入れていきます。
いずれにしろ、各メーカーの特徴や強みを生かした展開というのが、今後のポイントになるでしょう。
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