────住宅設備機器の業界の動向をお教えください。新築住宅着工数は減少傾向にありますが。
最近やや持ち直してきてはいるものの、長い目で見れば少子化がさらに進み、減少の傾向は強まるでしょう。今後は数兆円規模ともいわれるリフォーム需要の獲得が重要となってきます。当社においても営業政策面はもちろん、モノづくりの場面でも既存の住宅内に設置する制限のある中で使えるリフォーム向けの商品開発が求められてくるでしょう。
────住宅に対するニーズも多様化しています。
いかに快適な住空間を提供できるかが重要になっています。安全性や利便性だけでなく、快適さを追求したような空間デザインや機能ですね。たとえばトイレでも他社に先駆けて、タンクを取り除いた省スペース型・全自動のタイプを発売しました。便座開閉はもちろん、水の量を状況に応じて自動的に調節したり、SDカードをセットすることで音楽も聴ける機能も加わっています。またキッチンもセンサー式の蛇口をつけるなど、メカトロニクス系の技術を導入し、どんどん家電に近い感覚になってきていますね。
────高機能なだけでなく、環境やランニングコストも考慮した商品も発表されていますね。
以前は13リットル使用していた水を6リットルで流せるトイレや、蛇口センサーの電力を、水流を利用して自家発電する仕組みなど、節約型の商品も多く発売しています。さらにバスルームの床材向けに足裏に冷たさを感じにくい素材を開発するなど、出発点がタイルメーカーであることも活かし、住宅設備機器を総合的に提供できるのが当社の強みといえます。
────今後はどのような展開が予想されますか?
リフォームは新築と違い、お客様がどこにいるかをつかむのが難しい市場ですから、ネットワークづくりや地場の工務店との協力体制づくりに取り組んでいるところです。さらに今後は、国内だけでなく欧米・アジアなど海外に向けても販売網を作り上げていきたいと考えています。
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