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新築住宅物件の減少やリフォーム市場の拡大、住宅に対する消費者の志向の多様化など、現在の住宅建材業界は過渡期にあります。窯業系外壁材で高いシェアを誇るニチハ株式会社・人事部の中村真人さんに業界の最新事情を語っていただきました。


────ニチハは「モエンサイディング」「モエンエクセラード」など窯業系外壁材でトップクラスのシェア(37% 2003年・NYG資料)を誇っています。成長の理由は?

30年前、住宅着工数が拡大する中で、防火壁として主流だったモルタル壁はデザインの制約や工期、職人の不足など多くの課題を抱えていました。その要素をすべて満たす窯業系外壁材が注目されました。当社の商品コンセプトが時流に合ったのだと思います。

────建材業界というと一般消費者には見えにくい世界ですが。

たしかに直接、一般の方に販売するわけではありません。営業活動をしてきたのは、建材商社様や建材小売店様など流通相手です。そこに工務店様など作り手が建材を注文し、住宅を建てるわけですから、これまで一般の方が建材メーカーや商品を意識することは少なかったでしょう。

────現在、建材業界はどのように変化していますか?

市場全体で新築住宅の着工数が減ってきているのが現実です。ですから当社はもちろん業界全体も、既存住宅のリフォームや海外など新たな市場をターゲットとしてとらえていくでしょう。

外壁材についていえば、リフォーム市場では「外壁まで張り替える」という意識はまだまだ浸透していません。塗り替えで充分だ、と思われる方も少なくないでしょう。

しかし実際は外壁材もリフォームの選択肢として充分メリットの多い商品なんです。そこを皆さんに認知していただくのが将来に向けての重要なポイントだと思っています。

────以前にくらべてこの業界の仕事内容も変わりましたか?

まず営業のスタイルが大きく変わりました。最初に言いましたように、建材の営業先は施主の方ではなく、流通になります。以前なら営業の活動範囲はそこまででした。

しかし現在では、流通は当然のこと、実際に家を建てられる施主様にもアプローチしていかなければ、需要に応じたきめこまやかなサービスは提供できません。

需要も商品も多様化した今は、施主様のご要望に応じパース(イメージ図)を作成し、提案します。いかにお客様のご要望に応えた提案をできるかが、とても重要になっているのです。

ハウスメーカー様への営業活動も同様です。次世代モデルに採用されれば大きな利益となりますが、提案力や技術力など会社の総合力が問われる業務となります。

────そうした変化の中、必要な資質やスキルは何でしょう?

営業でいうと、明らかに昔と違うのは「提案力」ですね。あわせて一般ユーザーの気持ちを理解する力も必要です。メーカーにいると、どうしても外壁材を「板」として見てしまいがちです。でも家を買うお客様には「板」ではなく「大切な家の一部」。そこを見誤ってはいけない。一人一人が家を建てる気持ちになって提案できるよう、一般ユーザーの目を養っていかないと。

リフォーム市場に展開していくためには、一般にも外壁材が広く認知されるよう積極的に働きかけていく必要があります。新たに入社する人たちには、業界の過去の成功体験に引きずられず、強い信念をもって、新しい感覚で将来を切りひらいてくれることを期待しています。

────この業界の技術職に必要なスキルとはどうでしょうか?やはり素材の専門家が求められているのでしょうね。

やはり皆さんもそう考えられるらしく、化学系の転職志望者が多いですね。もちろん素材開発も大事ですが、じつは最も人材を必要としているのは、機械・電気といった生産技術部門なんです。実際に製品価値を左右しているのは生産技術ですからね。

当社では、化学系の人が、機械・電気の知識を身につけ、生産技術を手がける、という発想での人材育成にも取組んでいます。素材のことを熟知しているからこそ、効果的な生産ラインも作れますから。そこは当社の特色かもしれません。

────求められる技術者のスキルも変わってきましたか?

これは建材業界に限らないと思いますが、技術者とは「他にない製品」を作ろうとするものです。それは悪いことではありません。しかし、必ず一般ユーザーに受け入れられるとは限らない。技術者も一般ユーザーの視点を養ってほしい。営業が一般ユーザーの要望を吸い上げ、技術部門がそれを反映する仕組みづくりもますます重要になってくるでしょう。

────アクセスしていただいた方にメッセージをお願いします。

皆さん、転職先を決める際に「安定」を重視される方もいると思います。しかし、まず企業を自分なりに見て、納得、共感できるかはもっと大切なことだと思います。

たとえば「自分がユーザーならこうすれば買う」「ここが弱いからこう変えていきたい」というように、自分の中で入社後の展開をストーリー化してみてください。そこで疑問や共感しにくいところがあれば人事担当者に確認すること。転職を決める際には重要だと思いますね。

1986年、三重大学農学部林産学科を卒業し、ニチハ株式会社に入社。理系出身者ながら当初より営業畑を歴任。神奈川営業所、厚木営業所において一般工務店向け販売のルート営業を経験したのち、営業本部に異動し、「モエンエクセラード」「モエンサイディングS」の販売促進担当。両製品の販売拡大に努める。1994年4月より人事部に配属。現在、人事部部長代理。


ニチハ(株)

http://www.nichiha.co.jp

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