────人材サービスは、いまや企業にとっても働く人にとってもなくてはならないものとなっていますね。中部エリアでの業界の動向はいかがですか?
この地域は、自動車メーカーやその関連企業を筆頭として地場産業が活気をおびていますよね。他府県に比べて景気がよく、有効求人倍率もここ数年トップを維持しています。そういったエリアを拠点に当社は事業展開しているのですが、景気がよければ当然採用も活発となりますから、人材サービスの需要は大きいですね。
じゃあ景気が悪いときはどうなの?というと、企業は人件費の削減を迫られ、「派遣へのシフト」傾向が強くなります。つまりこの業界は「好景気にも不景気にも強い」のです。人材ビジネスのおもしろさのひとつは、そこにあると言えますね。
────なるほど。それでこの業界は伸び続けているわけですね。ここ数年で、何か業界に変化をもたらすような出来事はありましたか?
平成16年の法改正で、製造ラインへの人材派遣が可能になったのは大きな出来事でしたね。とくに、モノづくりの盛んな愛知県においてはビジネス拡大のチャンスとなりました。ピープルスタッフもそれに対応するためにテクニカルセンターを作って、製造に携わる人材の育成を始めました。また、メディカル部門でも介護福祉士やナースなどを派遣できるようになったため、現在この分野にも力を入れています。これからの少子高齢化社会ではニーズが高まることは間違いありませんからね。
今後も可能なことが増えていけば、業界全体がもっと伸びていくでしょう。
────もともとはピープルスタッフも事務系スタッフの派遣が中心でしたよね。
ええ。労働者派遣法が施行される3年前(昭和58年)に事務代行業でスタートし、中部エリアで最初の派遣会社となったのがピープルスタッフです。事務・技術系職種を中心に扱っていたのですが、規制緩和で多くの分野に進出できるようになりました。そしていまでは派遣だけでなく、人材紹介、アウトソーシング、研修など総合的な人材サービスを手がけています。このほど名古屋駅前のミッドランドスクエアに支店を構えたことをきっかけに、さらに大きく展開していけると思っています。
でも、じつは「地道にコツコツ」がうちのポリシー。今後も地に足をつけたやり方は変わらないんですよ。
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