名古屋市内の地価上昇率が全国トップレベルにランク、土地需要も拡大するなど、不動産流通が活性化しています。不動産業界で働くにはどのような意識が必要なのか、すみしん不動産の人事部・田代淳さんに伺いました。

────現在、不動産業界の状況はどうでしょうか？

好況といっていいでしょう。バブルの頃にくらべると、地価は下がってはいますが、不動産のニーズは非常に多く、取引がさかんになっています。また不動産がいわゆる証券化・金融化し、土地を売ることに対する皆さんの抵抗感がなくなり、不動産が流動化していることも大きいですね。不動産が100万円単位の金額で持てるようになって、若い世代でも購入しやすい環境が整ってきたのも、不動産売買が活性化している理由のひとつにあげられます。

────名古屋の地価上昇はマスコミでも紹介されています。

エリアによっては価格も上がってきています。東京では3年ほど前から爆発的に地価が伸び、東海地方でも1年から1年半ほど前から不動産の価格が上昇してきています。ただし、名古屋で地価上昇が著しいのは、栄と名駅前エリアに限り、郊外の住宅地はむしろ穏やかに上昇している。

────不動産業界は将来的にはどうなるでしょうか。

不動産業界のキーワードは「少子化」といわれています。戦後の経済政策の一環として持家志向が進んできた結果、親世代のほとんどが持家であり、その多くは一人っ子です。一人っ子同士が結婚すれば、どちらかの親の持家と土地が余るため売却する、という流れが考えられます。その結果、従来の「代々住んできた家を継ぐ」という感覚から、「住みたい家を自由に選ぶ」というライフスタイルへと変わっていくでしょう。そのため、不動産売買では既存市場がとくに活性化していくことが考えられます。

────その中での、すみしん不動産の位置づけは？

皆さんは驚かれるかもしれませんが、不動産業界は大手10社程度を合わせてもシェアは全体の10数％程度です。それだけ中小の業者が非常に多い業界といえるでしょう。しかし、流通が活性化するとともに業界は成熟し、今まで以上にサービスの質、信用力が重視されるようになっていくと思います。

この業界は各社が独自の商品を持つわけではありません。つまり「信頼」が差別化のポイントとなります。不動産という高額商品を扱いますから、サービスの質次第で、お客様の満足・不満足につながり、それが非常に大きな差となります。当社では設立当初から人材育成に力を入れてスキルを高め、質の高いサービスを提供できるよう努力を重ねています。

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