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シゴトの基礎知識

「CEO」と「代表取締役社長」はどう違うの?

●CEOも社長もじつは「勝手に名乗っているだけ」?

アメリカ企業のニュースなどでよく見かける肩書き「CEO」。日本でも公的にCEOと名乗ったり、名刺に「CEO」と印刷している経営者も増えてきました。

しかし実をいうと、この「CEO」、法的に根拠のある呼び名ではなく、「好みでそう名乗っているだけ」というのが本当なのです。

「そんなこと知ってるよ。日本では『社長』が正しい呼び方だろう?」
と思われるかもしれません。

しかし、実は「社長」「会長」「専務」「常務」も同じ「自称」にすぎません。この地位が法律で定められているわけではないのです。今回のタイトル中で法的に根拠がある用語は「代表取締役」だけです。

さて、まずCEOについて簡単に説明しましょう。

CEO(chief executive officer)は「最高経営責任者」ともいいます。おもにアメリカ企業で発達してきました。

日本と違ってオーナー(株主)と経営陣がはっきり分かれているアメリカ型経営では、CEOをトップとする執行役員が、株主の代理人からなる「取締役会」から信任されて経営権を任されて業務を行っているわけです。その点、取締役の担う役割は、従来の日本型経営とやや違います。

CEOは経営に関して大きな権限を持ちますが、成果を上げられないなどの理由で、取締役会から解任されることもあります。

ほかにもCOO(chief operating officer/最高執行責任者)、CFO(chief financial officer/最高財務責任者)、CIO(chief information officer/最高情報責任者)といった執行役員があります。

チェアマン(chairman)、プレジデント(president)は「会長」「社長」と訳されますが、CEOやCOOとはまた違う役職です。会長や社長がCEOを兼ねるケースもあります。

一方、日本の会社法では、会社のトップとして代表するのは、「代表取締役」になります。代表取締役は1人とは限らず何人いてもよく、社長や会長が務めることが多いですが、ときには常務や専務でも務めることもあります。

代表取締役とCEOは、似てはいますが意味が微妙に違っています。また会長がCEOを、社長がCOOという肩書きを持つこともありますが、これも企業ごとのルールによったものです。

「創業家一族=経営者」の意識が強かった日本では、大手企業でさえこれまであまり定着してこなかった制度でした。

●日本でもアメリカ型経営志向が強まってきたが・・・。

しかし、近年、日本の企業社会でもアメリカ型企業経営に近い環境が整ってきています。

2003年には商法について改正法が施行されて、「委員会設置会社」では、取締役とは切り離された「執行役」や「代表執行役」が置かれることになりました。これはCEOやCOOとほぼ役割が重なります。つまり呼び名だけでなく、日本でもアメリカ型企業経営ができるようになったわけです。

また、大株主が創業家出身の社長を解任してすげ替えたり、買収合併により経営陣が様変わりするケースも増えてきました。

こうした社会環境の変化によって、CEOやCOOのシステムが日本でも浸透していくかもしれません。

ただし、アメリカ型経営にもデメリットはあります。CEOやCOOは「経営請負人」に過ぎないため、「短期間で成果が出せなければすぐクビになり、長期にわたるプロジェクトや改革に取り組みにくい」「数字ばかり追って見せかけの業績づくりや会社の体力を弱めるリストラに走りがち」「会社よりも自らの利益を優先しがち」といった点です。

アメリカ型経営がすべてそうなるわけではありませんが、そのような例も少なくありません。つまりアメリカ型をそのまま導入すれば必ず成功できるわけではないのです。

日本企業で「CEO」「COO」などの肩書きを見たときには、それがポーズだけのものなのか、それとも本気でアメリカ型経営を導入しようとしているのか、それがその会社にとって本当に効果的なのかを、少し考えてみましょう。



「キャッシュフロー」とは何のこと?

●「売り上げ、経費、利益」とはどこが違う?

「キャッシュフロー」「キャッシュフロー経営」という用語。じつは会社の経営においてとても大事なものです。

「一社員に会社の上の方のことなんて関係ないよ」と思われるかもしれません。しかし、「作れば売れる」ではない現在、キャッシュフローは、良い会社を選ぶ上でも、会社の一員として働く上でも知っておいた方がいいでしょう。

キャッシュフローは、またの名を「現金収支」といいます。ズバリお金の流れのことです。企業活動で得られた収入から支出を引いて残るお金です。

「なんだ、それなら売上、経費、利益のことじゃないか」と言いたくなる人もいるでしょう。

でも皆さんが思い浮かべている数字は、会計上の収支ではないでしょうか。

キャッシュフローは、通常の損益計算とは違うのです。実際に動いた現金の動きであるところがミソです。

キャッシュフローは、「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の3つの合計です。

「営業キャッシュフロー」は、会社の活動で稼いだ現金と、そのためにかかった営業の給料や経費などの収支です。
「投資キャッシュフロー」は、設備投資などの出費と、資産売却などの収入を合計したものです。
「財務キャッシュフロー」は、借金に関わるものです。借りればプラス、返すとマイナスになります。

簡単な例を挙げましょう。

500万円を売り上げて、社員に計100万円の給与を払い、生産ラインの機械を200万円で買ったとします。そして銀行からの借入金100万円を返済したとすると・・・、

営業キャッシュフロー +400万円
投資キャッシュフロー −200万円
財務キャッシュフロー −100万円

この会社のキャッシュフローは、+100万円というわけです。まずまずの経営ですね。

基本的には、営業キャッシュフローによって得た黒字の枠内で、設備投資をしたり、借入金を返し、なおかつ利益を残すのが健全な会社といえるわけです。


●キャッシュフローで、会社の「本当の健康状態」がわかる

ただし、合計がプラスになればOKかというと、そうとは限りません。

たとえば、製品がちっとも売れず営業キャッシュフローがマイナスで、過剰投資をしてしまっていても、借金や社債発行をたくさんして財務キャッシュフローをプラスにすれば、一応会社は回っていくのです。

またベンチャー企業では、当初の営業キャッシュフローは大抵マイナスで、借入金などで自転車操業を行うのが普通です。

従来はそれでもなんとか会社は存続できていました。

しかしそれは負のスパイラルにはまっていくばかり。長く保つ会社とは思えません。

このところの大型倒産や粉飾決算の不祥事などは、このキャッシュフローがいびつな状態のまま無理な経営を続けてしまったから起きたといえます。

大企業はもちろん、中小企業でもキャッシュフローを意識した経営を導入するケースが増えてきました。上場企業では、財務諸表としてキャッシュフロー計算書を作ることが法律で義務づけられています。

会社を見てみる場合、イメージや給与・待遇だけでなく、会社の健全性を測るキャッシュフローにも目を向けてみましょう。会社という存在が今までと違って見えてくるかもしれません。



ISO何千とか1万いくつとか、何のために取得するの?

●9000は「品質」、14000は「環境」の国際規格

ISOは「アイエスオー」とも「アイソ」「イソ」とも呼ばれ、近年皆さんにもおなじみのフレーズになっていると思います。

ISOとは、スイスに本部のある各国機関参加の非営利団体「国際標準化機構(International Organization for Standardization)」のこと。ただし「ISO」は、頭文字や略字ではなく、ギリシア語の「ISOS/均質、均等」が語源です。

日本からは「JIS/日本工業規格」でおなじみの「JISC/日本工業標準調査会」が、ISOに加盟しています。

ISOの定めた国際標準規格は、工業分野(電気以外)を対象にしており、さまざまな種類があります。皆さんがよく耳にするのは、「ISO9001」と「ISO14001」でしょう。

ISO9000シリーズは、「品質管理システム」の国際規格です。製品そのものではなく、品質管理の体制が対象になります。そのうちの「ISO9001」は、製造の上での購買、資源、製造、作業者などを管理する仕組みづくりの上で守られるべき標準モデルです。

ISO9001認証を企業が取得するには、8章からなるISO9001規格に沿って社内の管理の仕組みづくりを行います。これらの条件を満たし、審査を受けることで、認証を得られることになります。

一方、ISO14000シリーズは、環境ISOとも呼ばれる、「環境」に対しての規格です。そのうちISO14001は「環境マネジメントシステム」の標準モデルです。企業活動や製品・サービスから起きる環境への負荷をおさえるための仕組みづくりについて定めています。

日本でもISO9000シリーズやISO14000シリーズの認証を取得する企業が増えてきました。

●「企業イメージの向上」目当ては間違っている?

ところで、ISOの認証を取得すると、企業にとって何の得になるのでしょう?

多い答えが「企業イメージ向上」「取引先に要求されて」といったものです。

かといって、「ISO認証を名刺に刷っていたおかげで新たな顧客獲得につながった」という例もあまり聞きません。

ISO認証取得は大変な手間と労力がかかります。従来の社内の体制を根本から見直し、全社員の協力を得て作り変えていく必要があります。中小企業にとってはかなりレベルは厳しく、さらに審査や更新手数料などもかなりの額にのぼります。

「イメージ向上」という曖昧な目的だけでは、ISOはただの金食い虫に終わってしまいそうです。そのため、初めからISO認証を考えない企業も少なくありません。

しかし、ISO認証の取得は、企業にとって大きなメリットがあるのです。

ISO9000シリーズや14000シリーズで定められた規格は、いわば国際的に認められたモノづくりのあるべき姿。品質管理や環境配慮を効率的に、確実に行えるような仕組みが網羅されているわけです。

つまりこれに沿って検討と改善を重ねることで、社内の問題点やなんとなく行われていたルールを、きちんとシステム化し、社員全員が共有することができるともいえます。

ISOの認証を取得することで、自然に社内の体制や製造システムが、市場に通用する水準まで強化されることになるわけです。

社内全体で真剣に仕組みづくりに取り組み、それを今後も守る意識づけこそ、ISO認証を取得する大きな意味となります。逆にそのつもりがなければ、形ばかり「ISOお墨付き」を整えようとしても期待通りにはいかないでしょう。

いま、「品質」や「環境」が、企業にとって重要なポイントとなっています。ISOの認証を取得することによって、時代のニーズに応えられる「強い企業」になれるかもしれません。



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