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シゴトの基礎知識

「クリティカル・シンキング」とは何? どんなとき役に立つの?

●ビジネスのさまざまな局面で役立つ思考法

ビジネスマン向け講座やビジネス書などで最近さかんに扱われる「クリティカル・シンキング」。

「Critical thinking」とは直訳すると「批判的思考」ですが、別に相手のケチをつけたり揚げ足を取って言い負かしたりするための思考法ではありません。

批判の対象になるのは物事に対する自分自身の見方や分析です。つねに「この物事のとらえ方は正しいのか」と疑い、客観的に分析し、判断していく考え方です。「論理的思考」と呼ばれることもあります。

クリティカル・シンキングは、問題解決や交渉事、プロジェクト管理、職場のPDCAサイクルなど、さまざまな仕事の局面で役に立ちます。

たとえば、問題が生じた場合、個々の問題への対応策をとっていくのが、これまでのやり方でした。

しかし、クリティカル・シンキングでは、「そもそもなぜ問題が起きたのか?」から考えていくのです。一見遠回りに思えますが、問題の本質を分析して物事を構造的につかむことで、より的確な解決や今後の予防策をはかることができるメリットがあるのです。

また「これは業界の常識だから」という事柄がもとでトラブルが起きているケース。これまでの解決法であれば、そこから起きる弊害やトラブルをいかに解消していくかに人員やコストが割かれるでしょう。

しかしクリティカル・シンキングでは、そもそもその「常識」が本当に間違いがないものか、単なる思い込みではないのか、から疑って、客観的にとらえ直して分析するのです。

プロジェクト管理の場合も同様です。ブロジェクトの流れを客観的に分析することで、ムダや矛盾を省き、参加メンバーの方向性を正しい方向へと向けて、最も効果的な進行をはかることができるわけです。

●職場での実践の積み重ねが効果につながる

欧米から入ってきたこの思考法ですが、じつをいうと欧米のビジネス教育に「クリティカル・シンキング」コースというものはありません。

なぜなら欧米では「クリティカル」に物事をとらえて進めるのは当たり前のことだからです。そうでなければ、欧米ではそもそもビジネスができません。クリティカル・シンキングは欧米のビジネスマンに初めから身についているのです。

反対に日本にはこれまでそのような文化はありませんでした。情実や集団の「あ・うんの呼吸」が日本の企業社会を動かしていたので、クリティカル・シンキングの出る幕はなかったのです。

しかし、今や合理的に物事を進めなければ、企業は一歩も進めなくなっています。そこで世のビジネスマンたちがクリティカル・シンキングをこぞって学ぼうとしているのです。

クリティカル・シンキングを学ぶ際に気をつけたいのは、「それだけでは万能ではない」ということです。学んだだけで突然有能なビジネスマンになれるわけではありません。

クリティカル・シンキングが効果を上げるには、組織・チームがそれに基づいて動くという土壌も必要です。

たとえばある部署のメンバーの1人がクリティカル・シンキングを学び、さっそく職場で披露しようとします。

しかし部署のリーダーが集団的「あ・うん思考」の持ち主だった場合、「理屈っぽい」「生意気言う前に動けばいい」「おまえはオレの言う通りにしていればいいのだ」「言い訳ばかりするな」と怒鳴られて終わることもあるからです。

とくに問題解決の場合、「冷静かつ客観的な原因究明」を「そんなことより動け」「遠回りだ」と切って捨てる考え方が、この国ではいまだに根強く残っているのも現実です。

本当なら職場全員がクリティカル・シンキングを学ぶのが一番いいのですが、いきなりそうもいきません。

クリティカル・シンキングを学んだら、まず日常の職場でのコミュニーションや、個人の責任範囲で済む身の回りの仕事からまず取り入れて自分を鍛えることから始めましょう。

本当のクリティカル・シンキングとは、学んでから始まります。

日々のコミュニケーションや地道な実践の積み重ねがあるからこそ、思考法が成果を上げるのです。


「個人情報保護」は仕事にどう関係してくるの?

●名刺1枚でも立派な個人情報になる!

このところ話題となっている官庁や企業の個人情報漏えい問題。

「自分には無関係」と思ってはいられません。業界・企業の大小にかかわらず、個人情報保護は避けて通れない問題となっています。

通称「個人情報保護法」は2005年に全面施行され、個人情報取扱いのルールは格段に厳しくなりました。

これに応えて、企業でも漏えい防止の体制を整えています。

企業の個人情報保護能力を認定するため、「プライバシーマーク」や「TRUSTe」「ISMS」などの認証制度も普及するようになりました。

毎日の業務に関係あるところでは、オフィスへの外部の人間の立ち入り規制、パソコンのアクセス制限、記録媒体の持ち出し禁止、さらに仕事用の名刺フォルダの机上への放置厳禁など、細かな規制が目立つようになっています。

「個人情報」は従来漏えいが問題視されてきた「国籍や本籍、信仰、政治的信条」といった項目だけでなく、今や「氏名・年齢・生年月日・職業・住所・電話番号・E-mailアドレス、家族構成・婚姻の有無・趣味・購買傾向」など、多彩な項目が含まれるようになっています。たとえ名刺1枚でも立派な個人情報になるのです。

情報漏えいの原因は、操作ミスや設定ミス、売却目的の悪意による持ち出し、不正なアクセス、ウィルス感染、不注意によるデータの置き忘れなど、さまざまです。

いずれにしても漏えいを起こした場合、その企業は賠償金や刑事罰、社会イメージのダウンなど、はかりしれない損害をこうむることになります。

対象は個人向けのビジネスで多くの顧客情報を保管する企業に限りません。法律では、5000件以上の個人情報をデータベースにしている企業は、「個人情報取扱業者」として扱い、規制の対象と決められています。普通の企業でも充分該当するでしょう。

●高価なセキュリティシステムだけでは防げない個人情報流出

IT化が進んだ現在、個人情報漏えいの多くは、企業内システムのデータベースから流出してしまうケースがほとんどです。

そのため、流出防止のためのさまざまなセキュリティが模索されています。

たとえば、社内パソコンの使用にパスワードやカードキーなどで利用者制限をしたり、記録媒体へのコピーをできなくする方法や、集中管理システムにアプリケーションやデータベースを持たせ、従業員はそこにアクセスして利用する方法などです。またインターネットサイトの情報管理サービスを利用して、社内のパソコンはそこにアクセスするだけ、という方法もあります。

これだけ対策を立てれば、個人情報の漏えいも解決、と思われそうですが、まだ安心とはいえません。

たとえば、最近問題視されているのが、個人パソコンに仕事のデータをコピーし、自宅に持ち帰っている際に情報が流出してしまう、というケースです。

とくに原因として挙げられるのが、「Winny(ウィニー)」です。

ウィニーは著作権侵害の問題などはあるものの、あくまでファイル共有ソフトです。

問題はウィニーをインストールしたパソコンが、ウィルスに攻撃されやすくなることです。ウィルスはパソコン内のデータをネット上に流出させ、ウィニーユーザーの間で流出した情報が共有されてしまうのです。悪意あるユーザーがネット上で情報をばらまけば、もはや全てを消去することは不可能です。

このところの大きな情報流出事件の多くが、個人のパソコンにインストールされていたウィニーが原因となって起きています。

また、パスワードやカードキーでパソコンの利用者制限をしても、利用資格のない人に教えてしまったり、何人もの社員で共有してしまうなど、セキュリティ意識の甘さから流出をまねいたケースも少なくありません。

また、仕事用パソコンを誰でも操作可能な状態にしてランチに出かけてしまう、閲覧対象をついうっかり無制限に設定してしまう…ほんの不注意が大変な漏えい事故につながります。

立派なセキュリティシステムで囲い込んでも、各人の個人情報保護意識が薄くては、個人情報漏えいは避けられないのです。

今日からでも遅くありません。自分の個人情報への接し方を見直してみましょう。

あなたは個人パソコンに仕事の情報をコピーしていないか? そのパソコンは家族と共用のものか? ウィニーはインストールされていないか? 社内のパソコンは誰でも利用できるようになっているのか? 社内に外部の人が簡単に出入りできるようになっているのか? せっかくのパスワードを誰でも見えるところに貼り出していないか?

ちょっとした心がけから、個人情報保護は始まるのです。


「CS(顧客満足度)」ってどうやって測るの?

●多様化の時代到来で、顧客満足度が重視されることに

最近、企業はしきりと「CS/顧客満足度の向上」を口にするようになっています。

しかし社員からしたら、どうすれば顧客満足度を向上させられるか、よく分からないでしょう。

これまでの企業では、大量生産方式を取り入れ、顧客それぞれの志向の細かな違いは無視し、顧客の方が企業の決めたルールに我慢して合わせればいい、という姿勢が長く続いてきました。

従来、不満を持った顧客が「お客さま相談窓口」にクレームを持ち込んでも、言葉は悪いですが単なるガス抜き扱いで、まず顧客の声が企業を動かすことはありませんでした。

ところが、市場は大量生産から多様化へと変わり、顧客それぞれの志向に応える必要が出てきました。またインターネット普及により、顧客対応の悪い評判もたちまち広がるおそれも出てきました。

企業も否応無しにCS(Costomer Satisfaction/顧客満足)を重視しなければならなくなったのです。

顧客満足度は、製品やサービス自体の性能や品質への感想にとどまりません。接客や営業の質、アフターフォローやメンテナンス、クレーム対応などあらゆる局面で問われることになります。


●顧客満足度の重要ポイントは接客やクレーム対応?

では、顧客満足度はどうやって測るのでしょうか?

一般的には、商品を購入した顧客に対して電話・メール・ハガキなどによるアンケートを行ったり、調査会社に依頼して調べてもらうことになります。また営業担当が得意先に対してヒアリングをすることもあるでしょう。

顧客満足度調査には、「購入時」に行う調査と、「顧客対応時」(クレーム対応や問い合わせ、メンテナンスなど)に行う調査に分けられます。

購入時の調査はおもに企業や商品のイメージなどが判断基準となり、顧客対応時の調査では、おもに人的サービスの質が問われることになるでしょう。

各社の製品やサービスのレベルにさほど差がなくなってきた現在、とくに人的サービスが差別化のポイントとなってきているようです。

こうしたCS調査を通じて、企業は自社の長所や短所、商品の課題をつかみ、今後の事業展開や改善に活かしていくことになります。

●アンケートだけでは顧客の本音は見抜けない?

ところが、このアンケートがなかなかクセもので、簡単にはいきません。

多くの追跡調査が、アンケート調査では好意的な回答をした顧客が、その直後に購入の継続をやめてしまったり、他社に乗り換える例があることを示しています。つまりアンケートではなかなか本音を出してくれないことも多い、ということです。

またアンケートに積極的に答えてくれるのは特殊な一部の層が中心で偏りがあり、決して顧客全体を代表するものではない、という意見もあります。

企業は表向きの調査を行うだけではなく、企業(とくに営業担当者)は顧客と常日頃から密なコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておく必要があるでしょう。

こうした顧客との関係は「顧客ロイヤルティ」ともいわれ、ビジネスの枠をこえて本音で話し合うこともできますし、顧客ニーズの吸い上げなどにも大いに役立つのです。

日頃の信頼関係こそが顧客満足度アップの最大の武器となるといえるのです。




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