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シゴトの基礎知識

有限会社ってもうなくなったの?

●既成の有限会社もすべて株式会社に

仕事で名刺をもらう際、「有限会社」と印刷されているのを見て、「おかしいな、たしか有限会社はなくなったはずなんだけど」と思ったことはありませんか?

たしかに有限会社は2006年の新会社法の施行で、新しく設立することができなくなりました。また法律上も株式会社にまとめられることになり、有限会社は存在しなくなりました。

そもそも有限会社は、「小さな株式会社」としてスタートしたものです。もちろん株式は発行しませんから事業規模が比較的小さな会社がほとんどです。

以前は設立に際して、株式会社は資本金最低1千万円、有限会社だと300万円を用意しなければなりませんでした。比較的資本金の小さい有限会社には小規模な個人経営、家族経営の会社が多かったのです。

ところが新会社法によって、資本金1円から株式会社を設立できるようになり、その区分けに意味がなくなってきました。そのようなこともあり、2006年以降、有限会社は設立できなくなったのです。

●「元有限会社」と「本来の株式会社」の違い

では、これまであった有限会社はどうなったのでしょうか? すべて株式会社として登録をし直さなければならなかったのでしょうか?

もちろんそんなことをすれば会社には大きな負担です。ですから既成の有限会社は、「自動的に株式会社になった」とみなされたのです。

もちろん株式会社になれば、株式も発行することになりますが、元有限会社(特例有限会社といいます)の場合は、役員任期制限や決算の公告、会計監査など、もともとの株式会社が負う義務もなく、ある程度は有限会社時代と同じ条件で経営ができます。

その一方で有限会社時代にはあった「社員数50人以内」という制約がなくなり、社債や株式予約権も売れるようになっています。

ただし、もともとの株式会社とは違いますから、商号には「有限会社」の名が残りますし、そこで株式会社と名乗ってはいけません。

また「取締役会」は作れない、株式は発行できても上場するような公開会社にはなれない、定款変更が難しいなど、それなりに条件が厳しくなっています。

もちろん、この特例有限会社が株式会社化の手続きをすれば株式会社になることは可能で、手続きもさほど難しくありません。

実際、今の株式会社は資本金1円で簡単に設立できてしまうのですが、日本の会社社会では、いまだに多額の資本金が必要だった頃の株式会社のイメージが強く、「株式会社ならば信用度が高い」という思い込みで取引先を選んでいる会社も少なくありません。

そのような事情もあって新会社を機会に、株式会社化を選ぶ元有限会社も増えています。

一方で株式会社化で増える負担やデメリットを嫌う会社は、有限会社のままでいるケースも多いようです。

ですから名刺に今も「有限会社」とあるからといって、「株式会社になれない駄目な会社」「株式会社なら信用できる会社」ととらえるのは短絡的すぎます。きちんと業界やその会社自体の経営環境を見すえて考える必要があるのです。


「OEM供給」と「下請け」はどこが違うの?

●開発・製造したモノを相手先のブランド・販売網で販売。

OEMとは「オーイーエム」と読み、「Original Equipment Manufacturing」の頭文字が元になっています。

OEM供給とは、他社ブランドとして販売される製品を製造することを言います。たとえばA社が開発・製造した製品を、B社が自社のブランド名で販売することです。

これだけだと、「下請け」とどう違うんだ、と思われるかもしれません。

例を挙げましょう。日産自動車の発売した軽自動車「クリッパーリオ」です。この車は三菱自動車の開発した「タウンボックス」をベースにデザインを改良したものです。

基本的にOEMはこのような形であると考えてよいでしょう。

液晶テレビなども各メーカーが全部を自製しているわけでありません。液晶パネルの多くは他メーカーの開発品のOEM供給です。

OEMと下請けの大きな違いは、製造元と供給先の関係にあります。

A社が企画開発・生産した製品を、OEM供給してB社が自社ブランドで販売するケースでは、A社も別のブランド名で同じ製品を販売しても構いません。両社の関係は対等なのです。

ただしここまでのOEMについての説明はあくまでも「日本では」という前提の話です。その理由については最後に説明します。


●開発コストの削減、販売網の充実など、メリットが大きい。

自動車、機械、IT、アパレル、食品などさまざまな業界でOEMはさかんに行われています。OEMなしで産業はもはや成り立たないともいえるでしょう。

なぜOEMがこれだけ増えてきたのでしょうか?

ひとつには新製品のサイクルが異常なほど早くなってきたことがあります。開発コストの回収が難しくなっているのです。

OEMを活用すれば、開発・生産コストをかけることなく自社ブランドの名で新製品を市場に打ち出すことができます。たとえば自社の苦手な分野でもその分野に強い企業からOEM供給してもらえば、商品ラインアップを充実させることができるわけです。

OEM供給する側にもメリットがあります。供給先に製品を「売る」ことになるのですから、製品の売上げが伸びます。それだけでなく相手先の販売網も間接的に販路を拡大することになるのです。

同業種のライバル同士がOEMで協力し合うのはそのような背景があります。

また、自社のブランド力や販売力が充分でない中小企業や新規参入企業が、大手企業にOEM供給して売上げ拡大をはかるケースもあります。スーパーやコンビニなど流通業界、アパレル業界で増えているPB(プライベートブランド)商品などがそれに当たります。

両社が互いの足りない面を補い合うOEMもあります。東京に工場を持つC社と、名古屋に工場を持つD社が互いの製品をOEM供給し合うことで、C社は名古屋で、D社は東京で販売の際に、納期短縮・物流コスト削減・販路拡大が期待できるのです。

●OEMとODMの使い分けかた。日本と海外で意味が違う?

さて、前半で「日本では」と断りを入れましたが、OEMという言葉、使い方に気をつける必要があります。

理由は、OEMと関連して語られる、ODM(Original design manufacturer)という用語です。

日本ではなんでもOEMと呼んでしまっていますが、海外ではODMとOEMは使い分けられています。

ODMとOEMを使い分ける場合、OEMでは委託する側が設計開発・技術指導も行い、製造生産プロセスを任せます。主導権は委託側にあり、下請けに近くなります。

一方、ODMでは委託された側が設計・開発・製造まで行い、供給はもちろん自らも販売します。上の日産と三菱や液晶パネルの事例は実はこちらに含まれるのです。

つまり日本でOEMといわれているケースの多くは、実はODMなのです。

アジアを含めた海外企業と関わる場合、この用語の使い方には少し注意が必要でしょう。


「当社は成果主義です」と言われたときに気をつけることは?

●成果主義は本当に「がんばった分だけ報われる」のか?

成果主義が日本の会社に導入されてずいぶんと経ちました。今では従来の「年功序列」にこだわり続けている会社の方が珍しくなり、多くの会社が大なり小なり成果主義を採用していると言ってよさそうです。

成果主義を「実力主義」と呼ぶ会社もあります。厳密には違うのですが、同じものとして扱われていることがほとんどです。

一方で、「成果主義」が自分の仕事にどう影響してくるのか、よく考えずに転職してしまう人も意外と少なくないようです。

転職先として考えた会社が、成果主義を導入していた場合、注意しておくべきことは何でしょうか?

まず成果主義について考えてみましょう。みなさんは成果主義とはどんなものだと思いますか?

「がんばれば、がんばった分だけはね返ってくる制度」
「実力次第で年齢や中途入社のハンデなしに昇給昇進できる」

はい、まさに人事担当者の決まり文句ですね。

たしかにそれは間違いではありません。成果主義の働く側へのメリットはまさにそこにあるのですから。

年功序列の下では、いくらがんばって成果を挙げても、年齢が上の人間が昇進し、高い給料をもらい、若い社員は我慢しなければいけません。長い年月勤めることが評価されるのです。

成果主義ならば、実力しだいで、仕事のできない上司や先輩よりも高い評価や収入を得ることも可能になります。まさに「がんばればがんばっただけはね返ってくる」のです。

しかし、成果主義とは良い面だけではありません。導入のしかたによってはデメリットも多くなりうるのです。

まず、成果主義とは「成果」を評価する考えかたです。営業職でいえば顧客獲得件数や売上げ金額です。

いくら「がんばって」も結果を出せない人は評価されません。売上げと連動する歩合の比率が極端に大きい場合、あまりに少ない給与しかもらえないことも起こりがちです。

また数字を追い求めるあまり、互いに足を引っ張り合い、職場がギスギスして、後輩の育成もなおざりにされる弊害も出てきがちです。

さらに、目先の目標ばかりに目がいって、達成しやすい「ノルマ」や「目標」を立てがちになり、長期的な目標がおろそかになってしまうおそれもあります。

もちろん、上は極端に悪い例で、成果主義を導入した会社がどれもそうなってしまうわけではありません。工夫して導入しないと、そうなる可能性もある、ということなのです。

実際に当初、欧米のマネをして数字オンリーの成果主義を導入した大企業では、社内のチームワークがこわれてかえって業績に悪影響を与え、いったん成果主義導入をとりやめたケースもあります。

大切なのは、その会社が成果主義をどのようにとらえ、上のようなデメリットを避けるため、どのような工夫をしているか、なのです。

●その会社の評価の仕組みから成果主義を考えよう

もし、あなたが転職しようとしている会社が成果主義と分かったら、次のことに注意してみましょう。

「成果はどのように評価されているのか」

たとえば営業職の場合。売上げを出しやすいエリアと、そうでないエリアがあるでしょう。それが単に数字だけで評価されると不公平感が増してしまいます。

また数字で判断できる営業部門はともかく、成果が出るまで長期にわたる研究開発や、製造生産部門、総務・経理部門などの「成果」は数字では計れません。

こうした矛盾をどのように扱っているのかを見れば、その会社の成果主義への姿勢、人材への見かたがわかります。

たとえば、導入について工夫している会社では、単に数字ではなく、社内資格取得や職能試験によって昇給昇格を決めたり、社員が成果を挙げやすくするためのサポート体制を充実させているものです。

また、社員が個人主義に走りすぎないよう、チームによる成績や後輩育成などを成果としてカウントしている場合もあります。

入社時に、歩合の割合を多くして成功時の報酬を大きくするか、固定給分を多くして安定収入を選ぶかを本人が自主的に決められる制度を採用する会社も増えてきました。

多くの会社が、従来の日本式評価制度のよさを残しながら、成果主義をバランスよくミックスさせているわけです。

「公平な人事制度があるか?」

自分の意志とは違う部署に無理に配属されて成果を挙げられないのでは不満はたまる一方です。そこで「社内公募」などキャリア転換を図れる制度の有無が重要になってきます。

さらに次の点にも気をつけましょう。

「成果を評価するのは誰なのか? 評価基準の透明度は?」

評価の基準がはっきりせず、それを決めるのは直属の上司だけ・・・それではすべてが上司との相性しだいとなってしまいます。人間ですから、好き嫌いで評価してしまう上司もいるかもしれません。

少なくとも、成果やスキル、能力を客観的に判断できる透明度の高い評価の仕組みは不可欠でしょう。

成果主義の導入をうたうなら、会社にはそこまで気をつけてほしいものです。

また転職をめざす皆さんも、「こんなはずじゃなかった」と後で嘆くことのないよう、その会社の「成果主義」の仕組みについてしっかり調べてみてはいかがでしょうか?


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