職場では不可欠、基本のキといわれる「ホウレンソウ」、もちろん野菜のホウレン草のことではありません。
「報・連・相」、つまり「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとった言葉です。
上司部下・部署内・部署間で情報を共有し、業務に必要な情報がスムーズに流れるように、という意味のキーワードです。
仕事の終了時、また変化があった際には上司に報告し、部署内・関係部署・関係業者には節目できっちりと連絡を欠かさない。さらに自らの責任で判断できないことや対応に困ったときには、上司・関係部署に相談をしてアドバイスをもらう。
こう書いてみると、じつに当たり前のことばかりですが、案外できていない職場が多いのです。
「ホウ・レン・ソウ」を実行せず、情報のやりとりが滞ると、業務の遅れ、ムダな作業のやり直し、不良品などの発生、顧客のクレームなどにつながり、良いことはひとつもありません。
ホウ・レン・ソウはなによりもコミュニケーション。まず職場の人間関係がよくなければ始まりません。
上司と部下、同僚同士のコミュニケーションがほとんどなかったり、部署がタテ割式の職場では、まずホウ・レン・ソウはできていないものです。
コミュニケーションがしっかりとれている職場は、わざわざ言わなくてもホウ・レン・ソウが自然にできているものです。
では、職場で、ホウ・レン・ソウをする際にはどんなことに気をつければよいでしょうか?
まず、上司・同僚はヒマではないと意識しましょう。「相手がホウレンソウを受けられる状態かどうかを確認」「要点・結論を先に告げ、内容は簡潔に」「できる限りマメに行う」などは、忘れないように。
また、メールなども活用しましょう。同じ部署内にいるのにメールを黙って送るだけであとは知らんぷりといった態度、は感心しませんが、メールは履歴など形なって残るので便利です。
また、文書や資料もぎっしりとテキストを打ち込むより、項目分けや、図や表を活用して、ひと目で分かるよう工夫する気づかいも大切です。
ところで、「ホウ・レン・ソウは下から上に対してするもの」と思い込んでいませんか?
実際には、「会社から社員へ」「上司から部下へ」という「上から」のホウ・レン・ソウもなければ、円滑な情報共有は絶対にできません。
「会社が方針や業務状況を社員に伝えない」「上司が部下にまともな指示やアドバイスをしないまま仕事をさせる」「担当者に相談もなく上司が勝手に物事を覆してしまう」
これでは業務がうまく回るはずもありません。部下の側も会社や上司を信頼しなくなり、ホウ・レン・ソウも形骸化してしまうでしょう。
ホウ・レン・ソウは、部下はもちろん、上司、全部署、そして経営陣も聖域をつくらず、分け隔てなく行うことで、初めて効果を発揮するのです。
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