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シゴトの基礎知識

5Sとは何のこと?

●職場の「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ(習慣)」

製造やサービスの現場でよく掲げられているキーワード、それが「5S(ごエス)」です。

Sとは、5つの日本語の頭文字。「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ(習慣)」を指します。

もとは日本の製造現場から生まれた言葉ですが、いまではトヨタ生産方式の普及も手伝って、世界的に知られるようになりました。

上の5つの言葉、なんだか小学校の標語のようですが、製造現場に採り入れることにどのような意味があるのでしょう。

実際に職場で5Sを実行するときは次のようなことに気をつけます。

整理=必要なモノだけ残して、不要なモノは取り除く(捨てる)。
整頓=モノや道具を必要に応じてすぐ取り出せるようにしておく。
清掃=ゴミや汚れは必ず掃除する。
清潔=モノや道具、作業服、職場を常にきれいにしておく。
しつけ(習慣)=以上のことを職場で習慣化する

こうしてみるとごく当たり前のことばかりですが、直接利益につながらない作業のため、人手不足や忙しさにかまけて、ついおろそかになりがちです。

「職場をきれいにするのが、どうしてそんなに大切なんだ?」

と疑問をもたれるかもしれません。

しかし、5Sを徹底することで、作業の効率化、コストダウン、不良品や事故の防止につながり、長期的にみて大いに企業の利益につながるのです。

●5Sの目的は「見た目をきれいにすることではない」?

5Sはただ職場の見た目をきれいにするのが目的ではありません。その過程を通して、仕事を見直し、改善点を見つけることに意義があるのです。

たとえば、整理では「何が必要で何が要らないか」をもう一度見直すことになります。要らないモノを取り除くことで、収納スペースなどの節約にもなります。

整頓を通して、できる限りムダのないように効率的な作業の進め方を考えることになります。

清掃や清潔も同様です。常に職場やモノをきれいにしておけば、故障や事故の原因を早めに見つけ出すこともできるでしょう。

そしてそれをしつけ(習慣)を通して職場に定着させるのです。

しつけを除く4Sが有名になりましたが、今の主流は5Sです。また企業によっては、7Sまで枠を広げているケースもあります。

ただし、この5S、必ずしも正しく実行されているとは限りません。

たとえば、汚れていたり、モノが散乱していることばかりただガミガミとしかりつける職場の場合、社員たちは不都合なモノを隠したり、見える所だけきれいにするようになってしまいがちです。

すると5Sの形骸化が進み、一見きれいでも引き出しを開けたらモノがごちゃごちゃに押し込まれていたり、整然と道具が並べてあるように見えても作業をする上では使いにくい、ということも起こってしまいます。

5Sは「見た目をきれいにする」ためのものではありません。その行為を通じた効率化やトラブル防止などの改善こそが目的です。5Sの真の目的を忘れず、意味のある整理整頓を心掛けていきたいものです。



「トレーサビリティ」とは何のこと?

●偽装問題や混入事件で消費者が注目する「履歴追跡」

このところ、食品、工業製品など製造業の分野で、「トレーサビリティ」という言葉を耳にすることが増えてきました。

トレーサビリティとは、日本語では「追跡可能性」や「履歴追跡」とも呼ばれています。

製品の原材料や部品の調達、加工生産、物流、販売、廃棄などすべての過程についての情報を、製品ごとにチェックできるようにすることです。

そのはじまりは、狂牛病すなわちBSE問題や薬害問題でした。牛を個体で識別し、どのような経路をたどって食卓に届くのかを細かに参照できるようにはかったり、エイズや肝炎感染などの薬害を防ぐため、血液製剤やワクチンなどの生産の経路を追跡できるシステムづくりが義務づけられたのです。

さらに最近、食品や工業製品の信頼をゆるがす事件が相次いだのもトレーサビリティが注目される理由となっています。

食品メーカーによる偽装問題、食品アレルギー問題などで、食の安全が見直され、生産地や加工などの情報に消費者が敏感に反応するようになりました。

さらに追いうちをかけたのが、ギョーザへの毒物混入事件です。

消費者は、自分の手にした食品が、どこで収穫され、どの国の誰の手によって加工され、どのように運ばれてきたのかを知りたがるようになってきたのです。

食品だけではありません。リサイクル資源としての活用、事故や不良品によるリコールなどが続き、家電や自動車などの分野でもトレーサビリティが求められています。

●じつは企業側にもメリットの多いトレーサビリティ

世間の動きを受けて、企業はトレーサビリティの体制を強化せざるを得なくなってきています。

食品は、原材料が入り混じり、細切れに分割されて流通するため、トレーサビリティは事実上不可能といわれてきましたが、ICタグなどの進歩で個別管理も実現が近づいてきました。

またリサイクルについても、消費者が購入時にリサイクル費用も負担することになったため、テレビや冷蔵庫などの家電製品では、廃棄後にきちんとリサイクルが行われているかを確認することができるようになっています。

というと、トレーサビリティは消費者のためのシステムと思われるかもしれません。実際日本では安全確保や信頼獲得のための負担や義務ととられえている企業が少なくありません。

しかし、高度なトレーサビリティは企業側のメリットも少なくないのです。

個体識別や追跡のシステムが充実すれば、生産者や加工業者、流通業者がスピーディに工程管理・流通管理を行うことができますし、製造ラインの一部に不良な部品が混入した場合や、リコールが発生した場合も、素早く効率的な対応ができるようになるからです。

今後、トレーサビリティは技術の進歩により、徐々に定着していくものと思われます。


職場の「ホウレンソウ」とは何のこと?

●当たり前、でも案外できていない「報告・連絡・相談」

職場では不可欠、基本のキといわれる「ホウレンソウ」、もちろん野菜のホウレン草のことではありません。

「報・連・相」、つまり「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとった言葉です。

上司部下・部署内・部署間で情報を共有し、業務に必要な情報がスムーズに流れるように、という意味のキーワードです。

仕事の終了時、また変化があった際には上司に報告し、部署内・関係部署・関係業者には節目できっちりと連絡を欠かさない。さらに自らの責任で判断できないことや対応に困ったときには、上司・関係部署に相談をしてアドバイスをもらう。

こう書いてみると、じつに当たり前のことばかりですが、案外できていない職場が多いのです。

「ホウ・レン・ソウ」を実行せず、情報のやりとりが滞ると、業務の遅れ、ムダな作業のやり直し、不良品などの発生、顧客のクレームなどにつながり、良いことはひとつもありません。

●ホウ・レン・ソウをスムーズに行うコツ

ホウ・レン・ソウはなによりもコミュニケーション。まず職場の人間関係がよくなければ始まりません。

上司と部下、同僚同士のコミュニケーションがほとんどなかったり、部署がタテ割式の職場では、まずホウ・レン・ソウはできていないものです。

コミュニケーションがしっかりとれている職場は、わざわざ言わなくてもホウ・レン・ソウが自然にできているものです。

では、職場で、ホウ・レン・ソウをする際にはどんなことに気をつければよいでしょうか?

まず、上司・同僚はヒマではないと意識しましょう。「相手がホウレンソウを受けられる状態かどうかを確認」「要点・結論を先に告げ、内容は簡潔に」「できる限りマメに行う」などは、忘れないように。

また、メールなども活用しましょう。同じ部署内にいるのにメールを黙って送るだけであとは知らんぷりといった態度、は感心しませんが、メールは履歴など形なって残るので便利です。

また、文書や資料もぎっしりとテキストを打ち込むより、項目分けや、図や表を活用して、ひと目で分かるよう工夫する気づかいも大切です。

●会社・上司による「上から」のホウ・レン・ソウも不可欠
ところで、「ホウ・レン・ソウは下から上に対してするもの」と思い込んでいませんか?

実際には、「会社から社員へ」「上司から部下へ」という「上から」のホウ・レン・ソウもなければ、円滑な情報共有は絶対にできません。

「会社が方針や業務状況を社員に伝えない」「上司が部下にまともな指示やアドバイスをしないまま仕事をさせる」「担当者に相談もなく上司が勝手に物事を覆してしまう」

これでは業務がうまく回るはずもありません。部下の側も会社や上司を信頼しなくなり、ホウ・レン・ソウも形骸化してしまうでしょう。

ホウ・レン・ソウは、部下はもちろん、上司、全部署、そして経営陣も聖域をつくらず、分け隔てなく行うことで、初めて効果を発揮するのです。



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