いよいよ面接です。入退室からイスへの座り方、面接中の姿勢、敬語の使い方など、マナーを意識するかどうかで人事担当者に与える印象は大幅に変わります。
携帯電話はマナーモードにしておけばいいですか?
携帯電話は訪問先の玄関に入る時点で電源を切りましょう。マナーモードでの、バイブ音や留守電の応答などは、静かな場所では意外と大きく聞こえるものです。 面接中なのに電話に出てしまう人もごくまれにいるそうですが、問題外です。 |
「ノックは3回」とマニュアル本に書いてありましたが。
マニュアルを忠実に実行しようとするとかえって不自然になりがちです。「3回」という数字が重要なのではなく、「落ち着いて丁寧に入室を知らせる」という心配りが大切です。 |
入室の際に気をつけるべきことは?
ノックして「どうぞ」という声がかかってから、「失礼します」と言って静かにドアを開け、部屋に入ります。それからドアに向き直り、大きな音をたてないようそっとドアを閉めます。 入口で担当者に一礼します。軽く頭を下げるのではなく、しっかりとお辞儀しましょう。 イスの近くまで進んでから、もう一度担当者に一礼し、「○○と申します。よろしくお願いします」と挨拶します。 後で担当者が入室する場合は、席から立ち、一礼し、言うべきことは同じです。 |
在職している会社の名刺は出すべきですか?
訪問先は顧客ではありませんから、前の会社の名刺は、とくに要求されない限り渡す必要はありません。もし担当者から名刺を渡された場合も、受け取るだけでかまいません。その際はきちんと両手で受け取ることを忘れないように。 |
イスに座るタイミングは?
勝手に座るのはマナー違反です。イスの近くまで進むと、「どうぞ」「お座りください」と言われるので、それを聞いてから座りましょう。カバン類は座ってから、イスの横の床に置きましょう。 |
お茶を出されたら、飲んでもかまいませんか?
出された飲み物を飲むことはマナー違反ではありません。ただし、いくら喉が乾いていても、人事担当者より先に口をつけるのはやめましょう。通常は、人事担当者が頃合いを見て勧めるので、それから口をつけるのがマナーです。勧められた場合、「いただきます」と言って手に取りましょう。 |
面接中の姿勢・目線は?
背筋を伸ばし、手はヒザに、というのは面接中の姿勢の基本ですが、新卒の就職活動ではないので、ある程度は自然体でもかまいません。あまり堅すぎるのも逆効果の場合があります。むしろ社会人経験を活かして、目上の人に対して自然に振る舞えるよう訓練しておきましょう。目線も相手の目を見ながら、自然に話せるよう面接前に意識して練習してみましょう。あまり目を合わせ続けるのも不自然ですが、下を向いたり目をそらしたりすることは良い印象を与えません。 もちろん足を組む、腕を組む、前屈みになる、ほおづえをつくといった態度は厳禁です。髪をいじる、口や鼻をさわるなどのクセも出ないように意識しましょう。 |
人事担当者がくだけた話し方なら、友達感覚でいい?
つい油断して敬語で話すことを忘れてしまう人がいますが、こんなときこそ要注意。担当者がフレンドリーに話してくるのは、あなたの緊張をほぐそうとしたり、素のあなたを知ろうとしているからです。あなたはあくまで丁寧な態度を忘れないようにしましょう。 |
相手の会社名を言うときは「○○様」とつけるべき?
慣れた社会人でもつい「○○工業様」などと呼びかけてしまいがちですが、厳密に言えば、企業名に「様」をつけて話すのは間違いです。面接の場合は「御社(おんしゃ)」と呼ぶのが自然でしょう。 |
相手の言ったことを聞き直すのは失礼ですか?
担当者の言葉が聞き取れなかったり、質問の意味が分からないときは、遠慮せず「もう一度お願いします」「それはどのような意味でしょうか」と正直に聞き直してもかまいません。むしろ分かったふりをして後で失敗する方が感心しません。 |
提出書類を持参する場合の渡し方にはルールがありますか?
記入した面が表になるように折って、必ず封筒に入れていきましょう。宛名や差出人は書かず、封ものり付けせずに渡しましょう。手渡す際は、封筒のまま、相手側の手元に封筒の下側が来るようにしましょう。 |
待遇の話題を出すことは失礼ですか?
これは人によります。あなたが経験豊富で実績やスキルを充分に持っているなら、待遇の話をしてもかまいません。しかし、まだ未経験でなんの実績もないのに「給料はいくらもらえるんですか?」と聞いてしまうのは、身のほど知らずというものです。 待遇面はいずれにしても微妙な話題です。質問する場合も、ストレートではなく、求人情報などを参考にして、「このぐらいのスキルの人だと御社ではどの程度の年収でしょうか」など遠回しな聞き方をするのが良いでしょう。 |
入社時期は、いつまでなら待ってもらえますか?
「いつから働いてもらえますか?」と担当者から聞かれたときは、できる限り明確に答えたいところです。先方の本音は「一日も早く」ですが、在職中の転職活動の場合は、円満退職のためにも引き継ぎ期間が必要です。入社日がある程度先になることに関しては先方も理解してくれるはずです。 しかし中途採用の場合は、すぐにでも人が欲しい場合がほんとどですから、入社時期が「半年先」では困ってしまうでしょう。常識的に見て、大体1カ月先、長くても3カ月先まででしょう。 |
「次の面接日を決めたい」と言われたときは?
後ほどメールや電話で次の面接日が伝えられることもありますが、面接の終わりにスケジュールを聞かれることもあります。 そんなときに「分かりません」では先方も困ってしまいます。1カ月程度先までのスケジュールはきちんと把握しておきましょう。次の面接も平日の日中で、場合によっては遠方にある本社に出向かなければなりませんが、できる限り先方の要望に合わせましょう。 今は携帯電話にスケジュールを記録している人が多いですが、面接の場で携帯電話をのぞいて操作することは、マナー的に良いとはいえません。スケジュール帳を購入して予定を書き込んでおき、持参しましょう。 |
退室の際に気をつけることは?
担当者から面接が終了する旨の言葉が出ますから、イスの脇に立ち、「お忙しいところありがとうございました。よろしくお願いいたします」と一礼。それから床のカバンを取り、退室します。 ドアを開けてから、室内に向き直って、軽く頭を下げつつそのまま後退して外に出ましょう。もちろんドアを最後まで閉めるのを忘れないように。 玄関から出るときも、受付スタッフに「お世話になりました」など挨拶していきましょう。最後も肝心です。 |
面接が終わったら、企業からの連絡を待っていればいいですか?
通常、人事担当の一次面接に通れば、役員などによる二次面接があります。その期間中の振る舞いも重要です。 まず一次面接が終わったら、間をおかず、お礼のメールを人事担当者宛に送る事をおすすめします。面接のために時間を割いてくれたお礼と、入社したい意欲をアピールする内容です。だらだらと書かず簡潔に書くことを心がけてください。 |